義務的退職制度を考える!
長い夏休みも終わり、いよいよ明日から大学が始まる。たった今、授業の最終準備を終えたところ。何年授業をしていてもやはり前日は緊張する。履修名簿を見ながら、どんな学生たちが来るのか、楽しみでもある。通年の学生たちは、どんな夏休みを過ごしたのだろうか。彼らはまた前期とは違った顔を見せてくれる。私にとり、仕事というのは、良い意味でのストレス、そして生活や人生に張り合いを与え、社会とつながっていることを実感させてくれる。年を重ねていく中でいつまで仕事を通して社会とつながっていられるのか、ふと思うこともあるが、元気な間は、何らかの形でできるだけ仕事は続けていきたい。先日、米国では義務的退職制度が撤廃されたという旨の新聞の記事を目にした。そしてその記事の著者、ジャレド・ダイアモンド氏は、義務的退職制度は、「人々から社会的交流や人生の目的、自分が有益な存在だと思える理由を奪ってしまう」と述べている。私も同感である。もちろん、人によっては、定年が待ち遠しかったり、仕事以外にも生きがいを感じることもあるであろう。しかし、元気でやる気のある高齢者にとって、日本の強制的な義務付けられた定年制度は、そのような人びとの人生にマイナス面もたらすのではないのだろうか。知り合ったある女性は、「まだまだ仕事をしたいのに、70歳になったらやめなきゃいけないのよね」と残念そうに言っていた。高齢者たちがいつまでも残ると若者たちの仕事を奪う側面もある、とも言われているが、今一度、義務的退職制度について顧みてみることも大切だと思う。ダイアモンド氏の「私たちのような、働く高齢の米国人は、人生と仕事、米国社会への貢献を楽しんでいる」という言葉には、うらやましさを感じた。実際にダイアモンド氏は86歳で大学教授を「引退」し、これからは自由な時間を執筆活動に充てるという。
サンフランシスコの楽しいパン屋さん‼作りたてのパンがかごに入ってロープ伝いに売り場まで送られてくる!!
関連記事