人生後半の自分と向き合う!

ゆっこ

2024年09月28日 22:26

今日は、「臨床心理学から見た人生の後半への向き合い方」という講演会に行ってきた。講演では、人生の振り返りということで自分史を書くことの勧め、そして死の受容についても触れられた。以前、自分史を書くというセミナーがあるのを目にしたことがあるが、あまり関心を持っていなかったが、年齢を重ねるにつれて、ふと自分の今までの人生を一度じっくり振り返るのも良いかなと思った。講演では、自分史を書くことにより、自分のライフストーリーを振りかえり、それを意識化することで意味をもってくるというお話しだった。確かに自分の博論では、ライフストーリーという手法を用い、たくさんの人々にインタビューをお願いしたが、皆、一堂に、語ることで今までの自分の生き方を振り返ることができて、新鮮な気持ちになれたという感想をいただいた。ライフストーリーを語ったり、記したりすることで、そこに意味や意義が生じるのであろう。そしてそれが、これからの自分の人生につながっていく。講演の中でも自分史を書くことは、「次にライフステージへの転換」というお話もあったが、それは年を重ね、避けられない「死」にちかづくなかでも大変大きな意義を持つのかもしれない。さらに講演の最後に講演者は、昨年死去した大江健三郎の最後の作品『晩年様式集』からの文章を引用し、大変印象的なことばだと述べた。
「小さなものらに、老人は答えたい、私は生き直すことができない。しかし、私らは生き直すことができる」
個人的には、まだこの作品は読んだことがないのだが、この「私ら」は、一体だれを表わしているのであろうか。次世代?新たに生まれてくる命?すくなくともこの言葉から私は、「死」というものがその人の終わりではなく、これから先も何らかの形で繋がっていく、という明るい未来への希望を感じることができた。是非、この作品を読んでみたいと思う。自分としっかり向き合っていくステージがやってきたように感じる。

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