たまりば

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2023年03月22日

絵画を通し、内からのメッセージを聞く

Hi, everyone! Cherry blossoms are now in full bloom, aren't they? So beautiful!

今日は、前から行きたかった国立西洋美術館の「憧憬の地 ブルターニュ」の展覧会に足を運びました。以前、ブルターニュ地方を1週間ほど訪れたことがあり、荒々しい海岸や絶壁、美しい深い森などダイナミックな自然が残る美しい地方ですぐにとりこになりました。今日の展示品の中にも港町の風景や美しい海岸の日没風景、村の人々を描いたものなどありましたが、中でも印象に残ったのは、ポール・ゴーガンの2つの作品です。まずは、「ブルターニュの農婦たち」という作品。二人の農婦たちが、まるでタヒチの女性たちのような顔貌をしているのです。説明を読むと、ゴーガンは、タヒチ滞在を経て、ブルゴーニュの地を再訪し、タヒチで得た造形語法を用いて、この地を描いたとありました。それは、女性達の顔貌だけでなく、草地や民家にも、南洋で培った力強い色彩表現の痕跡にも見いだせると書かれていました。まさにゴーガンらしさを感じました。また、「海辺に立つブルターニュの少女たち」という作品を見ると、2人の少女たちがこちらを見る視線が険しくて、何かを訴えかけているように見えます。そして、2人の足は裸足でとにかく大きく描かれていてびっくりします。説明には、ゴーガンの「自身の内にも宿る」とする「野生」が象徴的に表されているとありました。この作品は、ブルターニュ地方の海岸の断崖を背景にしており、彼の「野生」味とされるものが、背景の海の荒々しさにマッチしているように見えました。また、目を引いた作品は、ジャポニスムに深い影響を受けたとされる画家アンリ・リヴィエールの作品です。ブルターニュ地方の港を背景にしたものや深い森を歩く女性などを描いた「時の仙境」。まるで日本の浮世絵をイメージさせる大変興味深い作品でした。ブルターニュ地方が日本の風景にも見えてくるので不思議です。
今回の展示作品をみて、画家たちが、どこにいてもそして何を描いても、自分の内なる心の求めるものを素直に作品に表現しているように感じました。展示品には、黒田精輝や藤田嗣二など日本から渡仏してブルターニュ地方を訪れた画家たちの作品もあります。明治・大正期にこの地方を訪れ、何を感じ、何を思ったのか。そんな彼らの気持ちを考えながら絵を見ていくことはとても貴重な体験でした。そして作品をみて感じたことは、かれらが日本を離れた異郷の地で、何事にもとらわれない解放された心で作品と向かい合ったということです。
美術館を後にしてとてもすっきりとした明るい気持ちになったのは、満開に美しく咲きほこった桜だけによるものでなく、画家たちの内なる声、力強いこころのメッセージに触れることができたからのような気がします。
絵画を通し、内からのメッセージを聞く
上野公園の桜。桜もいっぱい。人もいっぱいでした。



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